イベントに必要なマインド

 こんにちは、フリーランスプロデューサーの末武です。
 今回で3度目の記事寄稿になります。

 5/28に9都道府県の緊急事態宣言の延長が決定し、依然イベント関係は打撃を受けておりますが、ようやくワクチンが回り初め、海外の様に外に出ることを楽しめる日が近づいてきている、と感じています。もちろん昔とは違うでしょうが、新しいルールに沿ったリアルコミュニケーションが社会に戻ることを切望しています。

 前回は自身が考えるこれからのイベントパーソンに必要な「スキル」についての記事を書かせていただきました。
 では、そのスキルを役立たせるため、という意味も含めて今回は『マインド』について、自身が思うことを書きたいと思います。

■イベントに必要なマインド

 そもそも、仕事とは社会の「不」を改善するものです。不満、不便、不安など、そういったものを改善するために商品やコンテンツが生まれ、そのプロモーションの一つとしてイベントが開催されます。イベントパーソンはそのイベントの分野でのプロモーションのプロであり、イベントにまつわることは完璧に遂行する義務と使命があります。
 そのために、イベントパーソンはただイベントを作るだけではなく、プロモーションの広い定義と知識でイベントを見る必要があると思っています。
 そして、その知識・スキルも自身で確立した「マインド」があって、改善に繋がるミッションを遂行できると考えています。

 では、必要なマインドとは?これは自身がいつも思っていることですが、それは「美意識」だと思っています。
 ただ美意識とひとことで言っても、外見や見た目のいいイベントを作ることではありません。美意識とは『自身の考えるあらゆる最善』にコミットする、頑なに突っ張る(頑張る)を通すことに尽きると思うのです。

 では、「最善」とはなんでしょうか?そもそも、物事に「正解」はあるのでしょうか?私はいつも「正解」は無いと考えています。そして「答え」を作ることが仕事だと思っています。その姿勢を貫くことこそが「美意識」だと思っています。
 そのマインドを常に持っていれば、例えば穴を見つけた際、コンセプトがずれてきていると感じた際、別の手法や企画の方が最善と感じた際などに、自身の正解を貫こうとする意思が生まれます。これを貫こうとすると時には仲間や顧客と議論に発展することも私はありましたが、その都度、結果に関わらず自身の考えは伝え切るまで伝えてきました。そして美意識が生むコミットが他者に伝わり、結果チームビルディングや関係者との関係性を築けました。

■マインドが生む自身の価値

 これはイベントだけのものではないかもしれませんが、この美意識を貫くことこそが、「自身の価値」と言えます。この美意識を持つと、全て「自分ごと」として私は捉えることができるようになりました。
 さらに美意識を追求すると、連想(先を予測する能力)を培うことができ、「イベンターに必要なスキル(※前回記事参照)」など、自己の向上を更に行うようになります。

 人によっては苦手意識のある報告事項(イベントは生ものなので計画が崩れることが多く、細かな報告は最重要事項です)も『自己アピールの事柄』として苦手意識が改善されます。
 そして、更なる自己アピールとして「常に先を見た視点」での報告能力が培われます。

 少し話が逸れますが、よく事実を主観的に捉えて報告をする人がいます。これが失敗を招く原因になります。主観的に捉えると感情から事実が少しずつ逸れていくことが多く、報告は感情に囚われずに事実を事実のまま、客観的に捉えて報告し、改善案があるなら自身の意見として添えて報告するといいでしょう。

 ちなみに、私は昔上司に「仕事は連想ゲームだ」と教わりました。今でもその教えは本質をついていると思い、心に常に持っています。
 「美意識」と「連想」そして「客観視」というマインドは、改善が『今この瞬間』に行う必要に迫られるイベントパーソンにとっては、特に重要なマインドだと考えています。
 大きく分けた分類の話となりますが、この3つを基本的に意識できていれば、例えば企画の最中にも新たな機会となるコンテンツへの気付き、それを行うことの意味、結果、社会に起こす現象などを客観的に考えて、立案していけるでしょう。

そしてそれが自身の価値に繋がっていくと思います。

■マインドを言語にして繋げていくこと

 確立されたマインドを言語にして伝えれば、それは人を繋げます。
 一人の確立されたマインドは一人、チームと広がっていき影響を与え、やがてそのマインドは多くの人に影響を与えそれが繋がる連鎖が起きます。
 経験を積み、一人一人が過去に業界が培ってきた固定観念、ルールを学び、それに加えて独自のマインドをセットして経験と価値を高めそれを広めれば、それが業界全体のアップデートに繋がると思っています。

 既にある固定の常識に捉われず、新たに作り出す人が現れることで、業界に新しい付加価値が生まれ、新しい業界の常識を作り、新しい人を呼び、人を築く基盤となり、現在・そして未来を創るサイクルが生まれ、自分達が存在した価値がその時代に作られる。
 それを作るものが、確立された一人一人のマインドであり、それを言語にしていくことが重要だと私は思っています。


末武秀明

記事
末武 秀明 (すえたけ ひであき) / Producer

〈プロフィール〉
1978年生まれ。アートビジネス、イベント、広告プロモーションのフリープロデューサー。過去、渋谷区代官山の地域イベントなどを手がけたことが転機となり広告・イベント業界に転身。以降、大企業の様々なプロモーション案件に携わりフリーランスとして独立。企業のプロモーションサポートやコンサルティングを行いつつ、『社会に根付くアートの発展にコミットする。』というミッションステートメントでアートイベントなどのプロデュース活動を行っている。現在『アートと現代社会のコミュニケーション』をオン・オフラインで築く企画展「#CWA展」をローンチ中。


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