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Backstage HEROes vol.3 〜吉澤光男 さん(株式会社ワイズファクトリー代表取締役・現場施工管理)〜<後編>

 イベント業界で働く現役イベンターに、業界で働くやりがいや葛藤、そしてイベント業界ならではの課題や喜びをリアルに語っていただく「Backstage HEROes」。今回は前編・後編の2回に分けておおくりします。(>>前編はこちら

 今回はVol.2でインタビューしました中尾幸生さんのご紹介で、イベント施工会社の代表取締役、吉澤 光男(よしざわ みつお)さんにお話を伺うことができました。
 中尾さんとの出会いは、吉澤さんの同僚が中尾さんの大学の先輩だったことです。その同僚から中尾さんを紹介され、少々無茶振りな案件を請け負ったのがきっかけでした。

株式会社ワイズファクトリー 代表取締役 吉澤光男さん

新型コロナウイルスの影響大!!施工会社の今”

 昨年より突如として現れた新型コロナウイルス。もちろん吉澤さんのY’s Factoryも大打撃を受けます。
 筆者は吉澤さんの月毎のジョブ表を見せていただいたのですが、昨年3月ごろからバツ印だらけのジョブ表!「×!×!×!」でした。(機密情報なのでお見せできないのが残念)
 2019年5月の売上げが1700万のところ、2020年5月の売上げはなんと”15万”!!

「何割減?って言われてもすぐ計算できないよね!?」と吉澤さんは苦笑します。

 そしてコロナの影響が出始めてすぐに、会計事務所の担当者と話し合いが始まります。「これはね、水を節約したり、紙を節約すればなんとかなるような問題じゃないんですよ」と会計士の方に懇々と説明され、給付金を得てなんとか家賃と従業員のお給料は賄えているそうです。

 しかし、ここで吉澤さんの会社ならではの強みが活かされます。
 ワイズファクトリーの従業員数はアルバイト含めて14人。大企業ではない分、従業員のマネージメントがしやすく、小回りが効き、工場を持っていることが強みです。
 例えば、その日限りのプレス発表会の依頼を、大手施工会社に依頼するととにかく時間がかかり、人件費も膨大です。

「施工といっても色んな職人さんがいるからね。大工さんはゆっくり作業するし、経師屋さんは早くしろって言うし、サイン屋さんは乾かないって騒いでるし、現場は大変なんだよ。」

 しかし工場を持っているワイズファクトリーなら、大型印刷も自社で印刷可能、あらかじめ経師やサインも自社で制作してから運搬ができるので人件費も削減。こういった利点から、コロナ禍でも大小関わらず仕事を獲得し乗り越えました。

 昨年9月頃から徐々にイベントが復活し、現在はこの利点も生かしつつ、新たな事業へ挑戦しています。

抗菌・抗ウイルスに特化したコーティング事業を開始”

 行動力のある吉澤さんは、いち早く抗菌・抗ウイルスへ着目。昨年よりSi-テックスのSIAA(抗菌製品技術協議会)認定製品である『Si-Shield』という製品でコーティング事業を行なっています。

 Si-Shieldとは、新型コロナウイルスやノロウイルスなどのウイルスや2,000種類以上の菌に対して効果があり、医療現場だけでなく国内主要国際空港、劇場・公共交通機関などで高い評価を受け使用されているコーティング剤です。(参照:https://www.ys-f.co.jp/si-shield/

 Si-Shieldは基本3年以上の持続力を持つのが特徴の1つですが、1日〜数日のイベント現場でも利用できるよう、イベント向きに低コストでアレンジを行い、すでに展示ブースで使用しています。

 昨年の混乱状況を経て、イベント開催でクライアントが求めるもの、来場者が求めるものは『安心感』だと気付きました。抗菌・抗ウイルスのコーティング剤を施すことで、少しでも安心してイベント開催ができるよう、Y’s Factoryではこのような対策も進めています。

株式会社ワイズファクトリー「抗菌シリカ水施工 ネイルサロン」

イベント業界の課題について”

 施工現場では『職人の高齢化』が深刻な問題です。後継者がおらず、若手が辞めていってしまうため次世代の担い手がいない状況なのです。
 吉澤さんの会社では、30歳後半の中堅層が多いのですが、それでも毎年リクルートで募集をかけています。

「でもね、うちみたいな会社はハードな仕事だから、実際に見て、体験しないと分からない部分が多いんだよね。」と吉澤さんは難しそうに言います。

 中々人が集まらないし、やっと若者が入社しても辞めていってしまうのが現実なのだとか。

「仕事はね、自分でアレコレ考えて、何度もチェックして、責任感を持ってこなした方が面白いと思うんです。

 若手にも責任のあることをやらせてみて、現場をこなした後のおもしろさや達成感を味わってもらえたら、次に繋がるんじゃないかと考えています。」

 どのセクションも違わず、イベントに携わる裏方の醍醐味は、責任のある仕事を乗り越えた先の喜びや誇り、クライアントと観客の笑顔を感じた時、この仕事のおもしろさを知ります。
 若手はこの経験を糧に育っていってほしいのがベテランの願いです。

まとめ

 今回はイベントに関わる施工会社の代表取締役、吉澤光男さんにお話を聞くことができました。

 学生時代からイベント業界に携わり、商社を辞退してまで自らのやりたい事を実現させた吉澤さんの行動力は、見習うべきところがたくさんありました。
 また、実際に従業員の方が作業しているところを快く見学させていただき、職人たちのリアルを垣間見ることができました。
 工場見学は、イベンターとしてより施工関連の理解を深めることができる貴重な体験だと改めて感じます。

 現在、コロナの影響だけでなく、時代の変化で様々な技術開発が進み、人と人が合わなくても成立する社会になってきました。
 だからこそ、リアルに『見る・聞く・触る』といった五感を用いた体験の重要さを感じます。

 様々な業種が交わるイベント業界だからこそ、各セクションの仕事内容や実情を理解することでさらにつながりが深まるのではないでしょうか。


<基本プロフィール>
名前 :吉澤 光男 さん
会社名:株式会社ワイズファクトリー(埼玉県戸田市)
年齢 :53歳
職業 :代表取締役・現場施工管理

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: YSrogo.jpg
https://www.ys-f.co.jp/

interviewer “KONO”

“Backstage HEROes”ではその名の通り、日頃裏方に徹するイベント創りのプロフェッショナルや業界のこれからを担う若手にフォーカスし、表舞台に立つ演者ではない制作者にスポットを当て紹介してまいります。記事を通じてイベンターの存在価値や社会的地位の向上につながればと願っています。

< 「Backstage HEROes」過去記事 >
■>>Backstage HEROes vol.3 〜吉澤光男 さん(株式会社ワイズファクトリー代表取締役・現場施工管理)〜<前編>
■>>Backstage HEROes vol.2 〜中尾幸生 さん(株式会社ハピオ代表取締役・イベントプロデューサー)〜
>>Backstage HEROes vol.1 〜石塚えみ さん(イベントプロデューサー・ディレクター)〜


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