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「苦しい経験、営業としての成長につながった」 set 高橋雄大氏に聞く|EVENTORS Future〜イベント新時代への挑戦〜【第8回】

 新型コロナウイルスの影響で激変するイベント業界で奮闘する次世代リーダーたちのリレーインタビュー。第8回は、テレビCMやアパレルイベントでの美術セットや大道具を手がけるset(東京都町田市)の営業担当、高橋雄大氏(28)に聞きました。

テレビCMや有名アパレルのイベントに美術セット提供

――御社の事業を教えてください。

 「2016年設立の新しい会社ですが、テレビCMやドラマ、ミュージックビデオなどの撮影業界、海外のトップブランドを含むアパレルや大手百貨店の催事などに美術セット一式を提供しています。社内に工場を持ち、木工製作を自らしているのが強みです。

――高橋さんは営業担当ですね。

 「私は3年前に入社したのですが、ずっと営業としてアパレル関係の開拓に力を入れてきました。世界を代表するようなトップブランドにも納入ができるようになり、手応えを感じていたところです。アパレル関係は今後も強化をしていきたいと思っています」

コロナで五輪案件が消えた でも、勉強した

――ただ、アパレルは、コロナの影響が大きそうですね。

 「海外企業を中心にオリンピック関連でかなりの数の案件を頂いていたのですが、コロナで全て白紙になりました。6月中旬まで仕事が本当になくて、先行きもとても不安でした。

――その頃は、どう過ごされていましたか。

 「勉強をしていました。私は営業ですが、クライアントと打ち合わせをするときに、作図をすることがあります。立体の図面で見せた方が、複雑なものであっても、イメージや理解が深まりますよね。しっかりと基礎を学んで、本格的な作図をできるようになりたい、とちょうど考えていたんです。社内の職人たちと話すときにも役立ちます。今も、建築雑誌を読みますし、かっこいいデザインを見つけると、作図してみたりしています」

――直近の取り組みを教えてください。

 「11月上旬は、例年ならクリスマス関連の仕事を多く頂くのですが、今年は1件だけでした。クライアント先でマーケティングのための予算が減ったり、コロナ第3波の影響があったりするのかもしれません。ただ、アパレルもブランドによっては、店舗での招待イベントを開くところも出てきており、回復してきてはいます」

 「今後、穴場で攻めていきたいと思っているのが、オンラインやバーチャルのイベント関連です。確かにイベント全てをCGのパネルでやられると、私たちの出番は難しいのですが、おそらく、大道具を使うようなイベントも今後も増えてくるのではないかと考えています」

苦しいことを楽しめる明るさを常に持って

――営業の醍醐味はどこにあると考えていますか。

 「多くの人に会えることだと思っています。知らなかった人と会って、新しい作品をつくって、知識がどんどん増えて、営業として少しずつ成長していける。時には提案を否定されたり、ダメだしされたりすることもあります。それでも、持ち帰って考え直して、再度提案する。そうした苦しい時でも、楽しめる、明るさを持つことを常に心がけています。周囲に『外面(そとづら)いいよね』と冗談交じりに言われることがありますが、これは営業冥利に尽きるなぁ、と喜んで受け止めています(笑)」

――飛び込み営業もするのですか。

 「いまはしっかりアポイント取ってから伺います。(笑)

ただ2017年に入社したころは、アパレルブランド向けの取引先を私が切り開いていくことになって、アポなしでオフィスを訪問したりしました。

入社1年も経たない時に、海外アパレルで長期の大型案件を頂いたのですが、それも飛び込みがきっかけでした。まだ右も左も分からないような状況で、大変でしたし、苦労も尽きませんでしたが、案件の進め方も含めて本当に勉強になった思い出の仕事です」

――イベント業界に入ったばかりの若手に、先輩の立場からメッセージはありますか。

 「とにかく仕事を続けてください。確かにこの業界は、大変で、苦労も多い。けれど、苦しい経験が成長につながると思います。今の時代、『盗んで覚えろ』なんてことを言う人もいません。しっかり教育もしてくれるし、危ないことはやらせない。きつい部分も、楽しんで仕事を続けることで、得られるものが絶対にあります。私自身もたくさん怒られたし、泥くさい経験もたくさんしてきたので、自信を持ってそう言えます」

【プロフィール】高橋雄大(たかはし・ゆうだい)1992年生まれ。青森県弘前市出身。2014年に大学卒業後し、建築資材メーカーで営業を経験、17年にset株式会社に入社し、アパレルを中心に営業を担当。座右の銘は「不言実行」。

【会社概要】set株式会社(https://www.art-set.jp/)。東京都町田市。材木好彦社長。従業員は14人。2016年設立。撮影やディスプレイ、イベント、ライブなどの空間向けの美術装置制作を主に手がける。問い合わせ先は電話(042―860-7836)、FAX(042-860-7847)、メール(info@art-set.co.jp)。

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