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“裏方ポジション大紹介!制作編 PART1″ MERUが教える! イベント業界サンロクゴ(365)VOL.5

こんにちは!現役イベンターのMERUです。

最近温度差はありますがぐっと暖かい日も増え、桜も咲きました。この時期になると毎年思います。

『イベントの季節がやってくる!』

イベントは通年とはいえ、やはり寒い時期は件数が減ります。代わりに春先の暖かい時期になりますと様々なイベントが押し寄せてきます。人も暖かくなると行動意欲が湧いてくるのですね!新年号も決まりましたし、今年度も業界をどんどん盛り上げていきましょう!

今回は、気になる裏方ポジションをご紹介しようと思います。制作だけでなくテクニカルの人たちも交えていきます。もちろん、制作がなんたるかを知ることも大切ですが、テクニカルの理解が深まれば現場でも動けますし、現場スタッフたちに頼りにしてもらえるのです。現場では色々な人と仲良くなって楽しいイベントを作りましょう。

<裏方ポジション大紹介 ①> 〜制作編〜

まずは制作サイドからご紹介!台本やマニュアル、スライドや各種デザインを制作し、いざ現場!です。

◎プロデューサー

企画から携わっている、全体統括のポジションです。基本クライアントと直につながっている立場になります。

クライアントの意志、イベントの意味などを考慮し、各スタッフへ落とし込んでいくのが大きな仕事です。つまり、クライアントと実施する現場をつなげるリーダーです。この立場になりますとテクニカル知識が必須になりますが、時々クライアントに寄添いすぎて、テクニカルにありえない無理強いをするプロデューサーがいます。そういう方はクライアントに好かれても、現場スタッフに嫌われる傾向がありますのでテクニカル知識は大事です。現場では、オペ卓という会場全体を俯瞰で見渡せるオペレーションエリアに座って指示を出すことが多いです。

◎進行統括ディレクター

進行関係を取り締まる、進行のリーダーです。進行に関する、大きな問題以外はプロデューサーではなくこの統括ディレクターが指示判断します。プロデューサーはクライアントの横でイベント全体を統括していますので、全ての判断をする暇はないのです。進行は進行統括ディレクターが責任を持ってイベントを進めます。具体的には、台本に沿って進行スタッフや各テクニカルへ指示を出します。本番時の指示はクリカムを使って指示を出しますが、リハーサルで指示を出すことは別の名称があり、『がなり(がなる)』と言います。この時使用するマイクは『がなりマイク』です。リハーサルでは来場者がいませんので、スタッフ全体に聞こえるようマイクを使って指示することがほとんどです。よく、リハーサル直前に統括ディレクターから「がなりマイク持ってきて」と頼まれることがありますので覚えておくと良いですね。

◎舞台監督

進行統括ディレクターが兼務することもありますが、会場や規模が大きくなると舞台監督が別につきます。統括ディレクターとの違いは大きくありませんが、舞台監督は制作側の意向より、台本に沿ってテクニカルを回していくことに特化しています。そのため映像システムや音響照明などのテクニカル機材に精通しています。他にも、テクニカルチームは大型機材を乗せた何台ものトラックでやってきます。搬入搬出時、設営撤去時は各チームが混雑してしまいます。舞台監督は、イベント終了後の搬出時に各テクニカルチームの搬出順や段取りを決めて指示するのも仕事です。このような人がいないと現場が大混乱、かつ職人たちの怒鳴り合いで大変なことになることもしばしば・・・。

◎進行ディレクター

進行を回していくスタッフのポジションですが、今回はもう少し詳しく説明します。進行といってもステージは広し。そのため各ポジションに分かれます。まず、『MC付き』。イベントを回していく重要な人物といえばMCです。MC付きは、MCの後ろに控え、喋り出しのきっかけや、進行側からの指示を直接MCに伝えるポジションです。よく司会台でMCが喋っていますが、その後ろで椅子に座り、会場の皆様から見えない位置に潜んでいるのがMC付きです。あるイベントで、たまたまカメラがMCを写している時です。その時、緊急指示が入り、後ろからぬっとディレクターがカメラに写り込み、お客さんが驚いているシーンがありました(笑)指示出しのタイミングって重要です!

次に『上手』・『下手』です。

それぞれの袖に配置されるディレクターたちのことです。他にもセンターから登場するシーンがある場合はセンターにディレクターがつく場合もあります。それぞれの袖から登場する登壇者管理が主な仕事です。好きな芸能人が来るイベントですと、袖裏で直にお話もできちゃうラッキーポジションでもあります。(ミーハー・・・笑)

◎進行AD(アシスタントディレクター)

進行ディレクターのさらに下に着くスタッフたちです。例えば、大規模なイベントで登壇者の数が多い場合、登壇者たちのお名前を一人ずつ確認し、誰がスタンバイしているか袖ディレクターに情報を伝え、ディレクターがステージ上の説明や登場タイミングに袖から出します。こちらはイベントの規模によってADをつけない場合もあります。

◎運営統括ディレクター

ここまで説明すればわかると思いますが、運営版の統括ディレクターです。運営側の全てを把握し、指示をし、判断をするポジションです。進行と違い、統括範囲が非常に広いため、外回り統括(駐車場や搬入導線、ゲストの出入りなど)や内部統括(受付や来場導線、控室周りなど)で分けることもあります。運営統括ディレクターは場数が物を言うポジションでもあります。プロデューサーもそうですが、統括関係は直接仕事をする、というよりは俯瞰で全体を見渡し、指示や判断をする立場で、直接仕事に携わるのはディレクター以下です。

◎運営ディレクター

運営ディレクターは運営統括ディレクターの下で動くスタッフたちです。運営には多くの人員が必要なため、ディレクターの下に学生バイトのような若者たちがさらに付きます。彼らはこのイベント限りの人材です。運営ディレクターは彼らを各ポジションに配置し、運営を行います。基本1つのポジションにディレクター1人がつき、さらにその下に数名のバイト君たちがつきます。

ここからはわかりやすく例を出します。

例えば、受付のフローが以下だったとします。

  • チケット画面(最近ではモバイルチケットが多いです)を確認
  • 受付リストをチェック
  • パンフレットやサンプルのプレゼントを渡す
  • 会場までご案内

まず、前日は受付周りのセッティングをバイト君たちと行います。 しかし!③に注目です!このイベントではアッセンブリが必須です!アッセンブリとはパンフレットやサンプルを1つの袋にまとめることです。アッセンブリ自体はすごーく地味ですが、これが何千何万個という数になったら・・・気が遠くなりますよね。

展示会などでは、ディレクターの指示に従いながらバイト君たちがひたすらアッセンブリを行なっている光景をよく見ます。お時給が他のバイトより多少良いですが、朝から晩までひたすらサンプル作りは辛いですよね。

そんな前日を終えてやっと本番です。

ディレクターは受付フローに倣って直接お客様を案内しつつ、バイト君たちをうまく動かし、かつ統括ディレクターからの指示にも対応します。

◎ステハン(バイト君たち)

ステハンとは業界用語であるステージハンドの略です。元々はライブイベントなどで、ステージの機材入れ替えを補助するところから来ていますが、ステージに限らず運営面でもステハンと言います。いわゆるこのイベント限りのバイト君たちのことです。

◎映像オペレーション(現場スライド打ち込み)

スポーツイベントやクイズイベントを想像してみてください。得点や順位は現場でしか分かりませんよね。このようなイベントでは、制作側が映像さんの横でスライド打ち込みを行います。映像さんはスクリーンに映し出すものを管理する立場であり、基本的に現場打ち込みはしません。小規模イベントや、映像さんとの関係性が確立している場合は別ですが、基本的にはスライドの仕様やイベントの中身を理解している制作が責任を持って行います。

私はあるバスケイベントに携わり、入社半年でこのポジションを任されたことがありました。実はこのポジション、地味にものすごく大変なのです。現場では目の前の試合の記録を取りながら、チーム名の間違いが無いか入念なチェックをしつつ次のスライドの対戦カードを作成、リアルタイムなトーナメント表作成を行います。これが1コート1試合ずつでしたら難しくありません。しかし巷のスポーツイベントでそんなことをしていたら時間がかかりすぎるため、4コート同時スタートなんてザラにあります。この場合、4コート分の対戦カード作成、トーナメント作成、チーム名やコートナンバーが間違っていないか確認・・・を数分の合間に行います。イベントは生モノと言いますが、スポーツイベントはまさにそれを実感します。

私はこのイベントで、出すべきタイミングにスライドが追いつかない、、、トーナメント作成が遅い、、、結果プロデューサーに『殺すぞ!』と言われるなど悲惨でした(笑)

普段からスポーツイベントに携わっている人たちを尊敬します。私の泣きの経験を話した上司はこう言いました。

『イベントはまだ会場だけだからいいけど、テレビ中継で世界に放送されるスポーツの得点を出しているオペは相当肝が座ってないとできない仕事だよ。』

確かに!私なら映像送り出しのエンターキーを押す時、指が震えます。

まとめ

今回は制作側の現場裏方ポジションを紹介しました。正直、楽なポジションもありますし、一日中トイレも忘れるくらい厳しいポジションもあります。こなしてきた数が自信に繋がるイベント現場。これからも磨きをかけて信頼されるイベンターになりたいものです。そして次回は、気になるテクニカルさんたちのポジション紹介を行います!テクニカルを理解すれば現場が格段に回しやすくなりますので、是非読んでみてくださいね!

<プロフィール>

|ペンネーム:MERU(メル) |年齢:27歳女性 |業種:イベントD(進行・運営)、企画書・台本・マニュアル制作、入稿データ制作、デザイン関係制作、英語対応可 |業界歴:3 |活動エリア:東京 |家族:旦那と共働き |所属組織:10名未満のベテラン揃い |スキル:制作に必要な知識に加え、デザイン関係(AI,PSD操作)、英語対応といった周りにないスキルでしがみついている |チャレンジしたいこと:時間効率化で副収入を得ること。仕事で海外に行くこと。 |前職:ボランティアで2年間海外の学校で教師をしていた |悩み:子供が欲しいが仕事も楽しいので辞めるタイミングが分からない。よってフリーになっても仕事がもらえる関係値を作りたい

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